「土地を相続することになったけど、今までと何が変わるんだろう?」
土地や建物を相続すると、これまでとは違った管理や手続きが必要になることがあります。
相続した土地が自宅なのか、駐車場なのか、アパートなのか、それとも農地なのかによっても、やるべきことは変わってきます。
この記事では、土地を相続した後にどのようなことが変わるのか、建築営業としてお客様とお話ししてきた経験も踏まえて、できるだけ分かりやすくお話しします。
どの土地にも共通すること
土地の種類や使い方に関係なく、相続した後に考えておきたいことがあります。
税金がかかる
土地や建物を所有すると、毎年、固定資産税・都市計画税などがかかります。
納税通知書は、自治体から毎年送られてきます。発送時期や納付方法は自治体によって異なるため、相続した土地がある自治体の案内を確認しておきましょう。
相続した後に「こんなに税金がかかるんだ」とならないように、まず知っておくことが大切です。
管理が必要になる
相続した土地や建物は、そのまま放置というわけにはいきません。
自分で管理すれば費用を抑えられますが、遠方に住んでいて見に行けない、仕事などで管理する時間がないという場合もあります。
そのような場合には、管理会社や専門業者などに管理を依頼するという選択肢もあります。
土地の状態によって変わること
では、相続した土地がどんな状態なのかによって、何が変わるのでしょうか。
一戸建て
空き家になっている場合は、換気、庭や雑草の手入れ、防犯対策などが必要になります。
「誰も住まなくなった家こそ管理が必要」と考えておきましょう。
分譲マンション
区分所有のマンションの場合、管理費や修繕積立金などの費用が、空室であっても発生します。
誰も住んでいないからといって、費用がなくなるわけではありません。
月極駐車場
管理会社がある場合は、相続した旨を連絡しましょう。
駐車場料金の振込先の変更や管理費、どこまで管理してもらえるのかなど、管理内容についても確認しておくと安心です。
また、駐車場から収入を得ている場合は、確定申告について確認が必要になります。
償却資産税が関係する場合もあるため、自治体の資産税担当窓口などに確認しておきましょう。
ご自身で管理していた駐車場を相続した場合は、まず賃貸借契約書を確認しましょう。
そのうえで、借主さんへの連絡や、駐車場料金の受け取り方法などを整理する必要があります。
昔ながらの駐車場では、毎月の賃料をオーナーに手渡ししているケースもあります。
その場合は、相続をきっかけに振込へ変更するなど、今後の管理方法を考える必要があるでしょう。
こちらも駐車場から収入を得ることになるため、確定申告について確認しておきましょう。
コインパーキングの会社に土地を貸している場合は、相続によって所有者が変わったことを連絡しましょう。
コインパーキング
契約内容や賃料の振込先などについても確認しておくと安心です。
また、注意したいのが土地の管理です。
コインパーキングの機械や清掃などは管理会社が行っていても、雑草の除去など土地そのものの管理はオーナー側の負担になっているケースもあります。
「コインパーキング会社に貸しているから、土地の管理は全部任せられる」とは限りません。
契約内容を確認しておきましょう。
アパート・マンション
管理会社が入っている場合は、まず管理会社へ相続したことを連絡しましょう。
管理会社が入っていない場合は、入居者への連絡なども必要になります。
お借り入れが残っている物件の場合は、金融機関への連絡も必要です。
相続が発生すると、故人名義の預金口座が凍結されることもあるため、借り入れの状況や今後の返済方法などについても確認しておきましょう。
また、家賃収入がある場合は、確定申告が必要か確認してください。
「収入があるからラッキー」という簡単な話ではありません。
その分、やることも多いのです。
農地・山林
農地なら、雑草の管理や農地としての維持などが必要になります。
山林の場合も、境界や倒木など、管理について考えなければならないことがあります。
農地や山林は、隣接する土地との関係もあるため、長期間放置するわけにはいきません。
また、場所によっては不法投棄などの問題が起こる可能性もあります。
農地や山林には、それぞれ特有のルールや手続きもあるため、必要に応じて自治体や専門家などに確認することも大切です。
更地
「建物がないから、何もしなくていい」ではありません。
そのままにしておくと、雑草が伸びたり、不法投棄や無断駐車などが起こったりする可能性があります。
定期的に現地を確認し、必要に応じて草刈りなどの管理を行う必要があります。
土地を相続したら、これからどうするかを考える
ここまで見てきたように、土地を相続すると、土地そのものだけではなく、管理や税金なども一緒に考えていく必要があります。
だからといって、すぐに土地活用をしたり、売却したりする必要があるわけではありません。
そのまま所有する。
誰かに貸す。
土地活用をする。
売却する。
状況によっては、今は何もしないという選択肢もあります。
大切なのは、相続した土地の状態を把握したうえで、自分や家族にとってどの方法が良いのかを考えることです。
まとめ
不動産を取得すると、規模はどうであれ、維持するために時間と費用がかかってきます。
だからといって、「管理が大変だから」「税金がかかるから」と、何も考えずに売却するのは、少し早いのではないかと私は思います。
昔、私が新人の営業マンだった頃、お客様からこんな言葉を言われたことがあります。
「土地を売却しても、同じ金額で買い戻すことはできない。買い戻すなら1.2倍はかかるんだ。だから、売却は最後の選択肢なんだ。」
当時はその言葉の意味を十分に理解できていませんでした。
しかし、今になって14年間、土地や建物についてお客様とお話ししてきた中で、その意味が少しずつ分かるようになりました。
土地を相続したからといって、必ず活用しなければならないわけでも、必ず売却しなければならないわけでもありません。
その土地をどうするのかは、ご家族の状況や将来の生活設計なども含めて、よく考えて決めることが大切です。
土地を手放すということは、簡単にやり直せることではありません。
だからこそ、売却する場合も、土地活用する場合も、そして「今は何もしない」という選択をする場合も、よく検討した上で、ご自身やご家族にとって納得できる結論を出していただきたいと思います。


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